自由診療するなら医療広告ガイドラインを読め!

前回の記事でご紹介した有名らしい歯科医師のFacebook投稿内容に基づく、医療広告ガイドライン違反箇所の検討をしましたが、この有名歯科医師の投稿のコメント欄が”医療自体”と”医療広告”の違いが理解できていない方があまりにも多いようで驚きを隠せないです….

インテリデント中央林間相模歯科:医療を否定しておらず広告(サイト)を否定しているのです。とりあえずガイドラインを読もう!

一方で、医科の先生方は理解をされている方が多く、美容整形医院などでも対応がなされており、対応していないのは、韓国の美容整形医院の日本語サイトなど日本の法律を守る気さえない”Abusolutely Crazy”医院だけという印象ですが、歯科の先生は…略

 

それはさておき、こんなコメントを見つけてしまいました…

クリックすると拡大します(以下の画像同じ)

その制度趣旨が最も重要です!!この方は、重要なポイントを良くご存知でらっしゃる!国が定める法律などの決まりごとは制度趣旨が重要で、その趣旨を念頭に置いて解釈をしていきます。

そこで、今回は、このようなご立派なコメントをされた歯科医師のために、医療広告ガイドラインの制度趣旨の解説をしたいと思います。

 

 

医療に関する広告は”患者等の利用者保護”なのよ。

医療広告ガイドラインは、正式名称を「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」と言います。この指針の第1に「広告規制の趣旨」として、医療広告ガイドラインの制度趣旨が掲載されています。「第1 広告規制の趣旨」は以下のように3つの項目からなっています。

第1 広告規制の趣旨
1 医療法の一部改正について(制度ができた背景と趣旨とこの規制のポイント)
2 基本的な考え方(ここ重要)
3 他の法律における規制との関係(今回は無視させてください)

早速、内容を見ていきましょう。

引用部分は面倒でしたら読み飛ばしても結構。

第1 広告規制の趣旨
1 医療法の一部改正について
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告(以下「医療に関する広告」という。)については、患者等の利用者保護の観点から、医療法(昭和 23 年法律第 205 号。以下「法」という。)その他の規定により制限されてきたところであるが、医療機関のウェブサイトについては、原則として、規制対象とせず「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)について」(平成 24 年9月 28 日付け医政発 0928 第1号厚生労働省医政局長通知)により関係団体等による自主的な取組を促してきた。

しかしながら、美容医療に関する相談件数が増加する中、消費者委員会より、医療機関のウェブサイトに対する法的規制が必要である旨の建議(美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会平成 27 年7月7日))がなされた。同建議を踏まえ、平成29年の通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第 57 号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。

その際、医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に広告可能事項を限定することとした場合、詳細な診療内容など患者等が求める情報の円滑な提供が妨げられるおそれがあることから、一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとしている。

 

内容をまとめるとこのような感じ

  • 医療に関する広告は患者等の利用者保護の観点から医療法その他の規定により制限してきたが、医療機関のウェブサイトは規制の対象にしないで自主的な取り組みを促してきた。
  • しかし、美容医療(実は審美歯科なども含みます)に関する相談件数が増加し、消費者委員会から医療機関のウェブサイトを規制しろ!という建議がなされて、医療法等の改正を行い医療機関のウェブサイトも規制対象になりました
  • ただ、医療機関のウェブサイトに制限をかけ過ぎた場合、診療内容など患者等が求める情報の提供が妨げられるので、一定の条件の下、制限を解除することにしました

結局、制度趣旨は?と聞かれたら当然「患者等の利用者保護」となります。コメントをされていた先生!!ご理解いただけましたでしょうか?繰り返します制度趣旨は患者等の保護なんですよ〜!

 

 

“患者等の利用者保護”が重要だから”医療広告の考え方”も当然”患者保護”

続きの”2 医療広告の基本的な考え方”を見ていきましょう。なお、あまりにも長いので、途中で解説を入れていきます。

2 基本的な考え方
医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところである。

① 医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。

② 医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつ、規制対象を「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」に拡大する一方、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合については、幅広い事項の広告を認めることとした。

患者等の利用者保護の観点から、①・②の考え方に基づいて、原則的には広告は禁止してきた。しかし、患者等に”正確な情報が提供されその選択を支援する観点”から、例外的に幅広い事項の広告を認めることにしたとのことで、結局、患者等に正確な情報を提供して、適切な医療の選択をするような広告は認めるよということがポイント

2の引用続きます。

 

(1) 広告を行う者の責務
医療に関する広告を行う者は、その責務として、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない。さらに、広告は患者の受診等を誘引するという目的を有するものの、患者や地域住民等の利用者へ向けた客観的で正確な情報伝達の手段として広告を実施するべきであり、また、医療機関等が自らの意思により行う必要がある。

ここで、患者等が適切に広告内容(医療の情報)を理解し、治療等を選択できるように正確な情報の伝達をしてねと言及しています。つまり、患者等が誤認するような「◯◯インプラントセンター」や「◯◯インプラント研究所」など八重洲に存在するらしい届出を見ても診療所として存在しないような医院名での広告は医療法は認めていません!となります。わかりましたか?T木先生!!届出をされた診療所名は本当にその名称でしたか?医療法では「診療所の名称」は虚偽にわたってわならないとありますよ〜〜(医療法第六条の五 一項三号及び三項参照のこと)

本当に医療制度の問題ですか??規模の問題ですか??貴院は一般の患者等に対して虚偽の診療所名を見せていませんか?

言い訳を考えているかもしれないので、ガイドラインの続きをご紹介します。

 

(2) 禁止される広告の基本的な考え方
法第6条の5第1項の規定により、内容が虚偽にわたる広告は、患者等に著しく事実に相違する情報を与えること等により、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられている。

“内容が虚偽にわたる広告は罰則付きで禁じられている”んですよT木先生、ご存知でしたか?インプラントセンターなんて名称で届出いませんから、内容が虚偽なのですよ。

さらに続きます。

同様の観点から、法第6条の5第2項の規定及び医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「省令」という。)第1条の9により、次の広告は禁止されている。
(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

ここは、ガイドライン違反で良く言われている箇所です。Facebookでコメントしていた歯科医師のみなさんは、この辺りを繰り返し読んでください。Before/Afterは”原則”ダメなんですよ。誤認させるようなBefore/Afterはダメですよ。比較優良だったり、誇大にならないように表現にも気をつけましょうね〜

 

また、(3)によって広告可能事項が限定される場合、広告可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされている。

さらに、医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等の他法令やそれら法令に関連する広告の指針に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等による広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないこととする。

また、品位を損ねる内容の広告等、医療に関する広告としてふさわしくないものについても、厳に慎むべきものである。

(3) 広告可能な事項の基本的な考え方

法第6条の5第3項の規定により、医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除き、法又は「医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項」(平成 19年厚生労働省告示第 108 号。以下「広告告示」という。)により、医療に関する広告として広告可能な事項は、患者の治療選択等に資する情報であることを前提とし、医療の内容等については、客観的な評価が可能であり、かつ事後の検証が可能な事項に限られる。

“品位を損ねる内容の広告等、医療に関する広告としてふさわしくないものについても、厳に慎むべきものである”とのこと。なので、キャンペーン価格でジルコニア安い!とかモニター価格!!とかダメです。

他の法律との関係は省略させていただきます。

 

まとめ

医療広告ガイドラインの第1をまとめると以下の通り

  • 医療広告は患者等保護の観点から広告できる内容に制限を設けます
  • HPも広告であるので規制(制限)の対象ですが、一定の条件の下で制限が解除されます。(チラシは解除されません!)
  • 患者等保護を重視しているのだから、虚偽情報を提供は厳禁ですし、患者等が誤認せず理解できるように情報提供をしてください
  • 他の医院より優れているような表現・言い過ぎなど表現には注意しましょう
  • 治療内容や効果に関する体験談は絶対NG
  • Before/Afterは原則NG

実はこれほとんど自由診療で出てきている問題…つまり、自由診療をしたければ、ガイドラインを良く読んで医院のサイトを掲載してねということです。

主に自由診療を受診する患者等の利用者保護を目的とした制度にくだらいないとは何様でしょうか?

そんなにくだらないというのであれば、①保険診療のみ行う②海外に出て行くの2つの選択肢を患者等の利用者でもある私からご提案いたしますので、ご検討してみてください。

 

コメントされた先生!制度趣旨は患者等の利用者を保護する目的です!!この先生の主張に正当性の根拠ってどの程度ありますか? この先生の言っていることは医療行為に関する事で、この制度は医療広告に関する問題で、議論が全く噛み合っていないことをご理解いただけましたか?

繰り返しますが、本件は、HPを含む医療広告に関する問題であり、医療行為など医療そのものに関する規制ではありませんし否定していません!

個人的にはFacebookのコメント欄にレベルの低い書き込みをしている歯科医師から治療を受けるような”くだらないこと”はしたくないですね笑

 

追記

こちらの件について、TwitterでT先生に正当性の根拠があるか否かをアンケートいたしました。

一般人と歯科医師で分けて回答していただきましたが、一般人の感覚からするとT先生の主張は全くもって正当性なしでギャーギャー騒いでるだけという意見しかありません。

歯科医師の方は、母数が少ないですが歯科医師全体の13%程度は正当性があるとご意見をいただいております。確かに指摘事項の内容に私から見ても厳しいものがあり、同情の余地がないわけではないですが、結局、患者等の利用者保護で、治療内容などをわかりやすく提供するという趣旨から考えるとT先生のサイトは趣旨からすると大きく外れてワイルドピッチになるレベルですから

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